たかっし

8 1/2のたかっしのレビュー・感想・評価

8 1/2(1963年製作の映画)
4.6
私的内的宇宙的映画の原点。

昨年「君たちはどう生きるか」を見て8 1/2
に通ずるなと思ったものの映画の細部を忘れていたので再見。
自らの出自と今思うことを整理しないでぶちまけるという点ではこの二作は驚くほど共通している。

8 1/2に顕著なのは創作における取り巻きたちのカオス的な縛りから逃げたいという辛い部分と、それでも女達には囲まれて楽しく生きたいという快楽的な部分。ふたつの逃避願望が並行して描かれる点だ。
本当に自分勝手でどうにもならない奴だが、何故か憎めないのがこの映画が愛される所以だと思う。

感動のラスト前に現れるクラウディアカルディナーレの美しさに乾杯。
たかっし

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