SunO2

不思議なヴィクトル氏のSunO2のレビュー・感想・評価

不思議なヴィクトル氏(1938年製作の映画)
5.0
舞台は港湾の町トゥーロン。オモテは近所の人気者、裏では泥棒の元締めをしている商人のヴィクトル氏と貞淑な妻マドレーヌ。冤罪で捕らえられた靴職人バスティアンと浮気性な妻アドリエンヌを狙うチンピラが織りなす人間模様。

コメディなのかシリアスなのか、ノワールなのかホームドラマなのか。冒頭ロケ〜セットへの流れが流麗。港から臨むトゥーロンの町並みが抜群。ヴィクトル氏のおもちゃからスカートまで何でも売ってる雑貨屋が面白い。店の前で新聞売りが事件の度に号外を配る。多分に心の病気を抱えていると思われるヴィクトル氏、興奮すると何言ってるのか分からなくなるので、序盤笑いながら見てたのだが、次第に笑えない展開になるのが絶妙。男がみな情けなくて女がしっかりしてるのも今風。靴屋の元嫁がブチ切れるところ最高。
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