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ハリーとトントのkojikojiのレビュー・感想・評価

ハリーとトント(1974年製作の映画)
3.5
#1218
1974年 アメリカ🇺🇸映画
監督はポール・マザースキー
バーバラストライザンドの「スター誕生」の監督。
 
老人ハリーと猫のトント🐈のロードムービー。
子供達を訪ねる旅はどこに行く着くのか?

72歳のハリー(アート・カーニー)は愛猫のトントと一緒にニューヨークの古いアパートに暮らしていたが、建物の取り壊しが決まり、ハリーは退去せざるをえなくなる。

最初は長男の家へ行くが、居心地が悪くシカゴに暮らす娘を訪ねることにする。飛行機の旅が、トントを連れているため車での旅となる。そしてこの途中、ハリーは様々な人々と出会うことに…

ロードムービーならではの、ほんわか気分を味わえる。ハリーの人間性だろう、出会う人誰とでもすんなりと会話する。
立ちションで牢獄に入ったハリー、そこで会ったインディアンとのやりとりが面白い。肩を治してくれると言うが、どうして治すのか?これが可笑しい😂

子供達を訪ねる旅といえば、どうしても小津の「東京物語」を思い出してしまう。この映画も「東京物語」と同じで、子供達には子供達の生活があり、ハリーもそこを安住の地にすることはとてもできない。旅は続く。
誰も一生懸命生きている。
自分が子供達の家を訪ねているような気持ちになる。こんなふうに思うだろうと思う。

ひょんなことで訪ねることになった元恋人との再会シーンは起承転結に例えるなら転の部分。味を効かせる場面だが、ここでもう少し濃い味が欲しかった。

トントがいい。あまり目立たず、さりげない表情も、仕草も旅の連れには申し分ない。
ただ、ワンシーンぐらいトントが主役になるシーンも欲しい気がしたが。

ハリー役のアート・カーニーはこの映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞している。 
個性的ハリー役にピッタリの好演。

最後にジャケ写、私が観た感想とは違うのが気になる。実はこんな映画なのか?私の感想はここまで深くないと思う。

2023.06.03視聴253
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