サスペンスの女王アガサ・クリスティーの傑作サスペンス小説の映画版。1945年の白黒映画。孤島で童謡の歌詞に沿って事件が進展していくプロットは、その後も様々な作家が取り入れている。
ロカルノ国際映画祭で金豹賞と最優秀監督賞を受賞しているので、当時の感覚にはフィットしていたのだろうが、ただ現代の感覚でみると、全体的に緊張感や恐怖感というものが感じられない。次々に殺人が起こって追い詰められていくのに、皆さんそんな死への恐怖がないのか能天気に見えてしまう。肝心の謎解きもあっさり。古典的名作には違いないが、ちょっとパンチ不足だと感じてしまった。