ヴェルヴェっちょ

大いなる遺産のヴェルヴェっちょのネタバレレビュー・内容・結末

大いなる遺産(1998年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

文豪の大作を果敢に映画化した製作陣に拍手。

19世紀を代表する文豪チャールズ・ディケンズの同名小説を、現代アメリカを舞台に映画化。
フロリダの港町。両親に先立たれ、姉マギーと暮らしていた画才あふれる少年フィンは、10歳の時、脱獄囚ラスティグ(ロバート・デ・ニーロ)の命を救った。そして、近隣の大富豪の老婦人ディンズムア夫人(アン・バンクロフト)は、姪エステラの遊び相手にフィンを選んだ。成長したフィン(イーサン・ホーク)は、美しく成長したエステラ(グウィネス・パルトロウ)に恋をするが、彼女はヨーロッパの学校へと去った。
失意から絵も辞めて、姉の恋人のジョー(クリス・クーパー)と漁師の生活に入ったフィンを、ある日、弁護士のラグノ(ジョシュ・モステル)と名乗る男が来訪。匿名の支援者の依頼で、彼がニューヨークで画家として成功できるようはからうという。ニューヨーク。個展へ向けて再び絵を描き始めたフィンはエステラと再会、再び恋に落ちるが…。

緑色を基調とした画面構成。それはエバー・グリーンのときめきか、青春の淡い思い出か。
貧しいながらも、ウブで純朴な青年フィンをイーサン・ホークが好演。 美女エステラの謎めいた、時として冷酷にも映る言動には、フィンならずとも翻弄されてしまいますわな。 噴水の水飲み場でのキスシーンや、エステラのヌードをデッサンする場面など、印象に残るシーンには事欠かないものの、話の展開やつなぎ目が不自然で、ストーリーに唐突さを感じてしまいます。映画よりも舞台やミュージカルの方がしっくり来そう。 ロバート・デ・ニーロが要所要所を締めるだけでなく、圧倒的な存在感で映画全部をかっさらっていき、優勝したような映画でした。