Mackey

存在の耐えられない軽さのMackeyのネタバレレビュー・内容・結末

存在の耐えられない軽さ(1988年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

だいぶ前に竹中直人がワンシーンだけで泣けるくらい好きな映画としてテレビで紹介してて、ずっと気になってた。
原作も半分くらい読んだけどその辺で止まっちゃってる。

チェコスロヴァキアのプラハの春とソ連軍の侵攻を背景にした恋愛もの。(小説だともっと哲学的な思想とかも絡められてた)
書評家の三宅香帆さんが、漫画『A子さんの恋人』と並べて、人生や自分自身を軽く捉えるか重く捉えるかの価値観の違いによる男女の恋愛模様として捉えて紹介してたけど、たしかにその見方が一番身近でわかりやすいとは思う。重く捉えるテレーザと軽く捉えるサビーナの間で揺れるトマシュといった感じの観たてで、これらにソ連下の社会主義的な価値観とアメリカの資本主義的な価値観を当てはめる見方もあるだと思う。そう捉えると最後の2人の死やそれを悼むサビーナのエンディングの切なさが増してくる。
人物の内面を文章で深く掘り下げられる小説と違って、映画では起きている出来事を見せることがメインなので、小説で味わう内面的、思想的な部分がかなり希薄にはなってる感じはする。そこを味わうには小説読むしかないなとは思った。

ソ連軍の侵攻シーンは当時の映像?と撮影した映像が交差して、フィクションと歴史的事実が交差する緊迫感と実在感があった。

初めてちゃんとジュリエット・ビノシュも見れたし、若い頃のダニエル・デイ=ルイスやステラン・スカルスガルドも見られたのでそこも良かった。

大学生とかの若いうちに、意味がわかんなくても原作含めて触れておくといい作品な気がする。
Mackey

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