えるどら

スパイダーマンのえるどらのレビュー・感想・評価

スパイダーマン(2002年製作の映画)
4.2
楽しくて美しい不朽のスパイダーマン映画

世間のNWH熱に浮かされて久しぶりに視聴。
スパイダーマンのオリジン映画として最高の映画。
「大いなる力には大いなる責任が伴う」のテーマの一貫性が美しく、キャラ一人一人の描写も丁寧で驚いた。
これだけのドラマを描きつつも、スパイダーマンカット(なんかスパイダーマンお決まりの決めカット)もふんだんに入っていてしっかり楽しいのも魅力のひとつ。

ピーターの身体が変化した夜、ノーマンもゴブリンに変身していた。
ヒーローが先か、ヴィランが先か、いや同時に生まれたのがこの映画。
ベン叔父さんを殺した犯人を追い詰めるピーターと、父であるノーマンを殺されて復讐に燃えるハリー。
決して多くは無い登場人物たちが複雑に絡まり合い、お互いに対比されながら進むのは何度見ても見事な構成。

ピーターはスパイダーマンになってからベン叔父さんを失い、メイ叔母さんを負傷させ、ハリーと今までのような関係ではいられなくなった。
その代わりに少しづつMJとの距離が縮んでいく。
スパイダーマンになって力を得ることで冒頭から憧れていたヒロインに近づいていく代わりに、大切な人を危険にさらすのだ。
しかもMJの描き方も秀逸で、最初からピーターのことが少しだけ気になってはいるようだけど、年齢も相まって他の男に言い寄られるとそちらになびく、リアルな女性として描かれている。
いじらしい両片想い感を出しつつ、ピーターとMJ両方に共感するようにできている。
そうして最後にMJがピーターに思いを伝えるのだが、ピーターはMJのことを大切にするために「友達でいよう」と答える。
作中を通じてピーターが「大いなる力には大いなる責任が伴う」の意味を真に理解したからこその解答だ。

この綺麗なシナリオが私はすきなんだ。
えるどら

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