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バードケージのchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

バードケージ(1996年製作の映画)
3.5
先日レビューしたA24の「Dicks: The Musical」つながりでよく引き合いに出された、ゆる~く楽しめるドタバタ喜劇の本作を。フランスの舞台劇「La Cage aux Folles (1973)」の映画化で、同作は過去にミュージカル、映画、テレビドラマと繰り返しリメイクされており、なんと本作は7作目のリメイクの試みだそう。それだけ魅力がある物語! ...かどうかは皆様各自でご確認下さいませ。

マイアミのナイトクラブ「バードケージ」を営むゲイのアーマンド(ロビン・ウィリアムズ)が、共和党過激保守派の有力議員の娘と結婚するという息子ヴァル(ダン・フッターマン)のために、由緒正しい良家のふりをすべく食事会に挑む!が、ゲイ趣味一色の自宅に、情緒不安定なパートナーのアルバート(ネイサン・レイン)と課題は山積みで...

テイストは完全にコントで、普通におもしろい🤣特にネイサン・レインのコミカルな動きが最高です。

ゲイ一家のおバカコメディ作品ながら、既にスター俳優としての地位を確立していたロビン・ウィリアムズを迎え、大ヒットを記録した本作。その公開数年後には「クィア・アズ・フォーク(Showtime)」「ウィル&グレイス(NBC)」「クィア・アイ(Netflix)」「Lの世界(Showtime)」と次々にLGBTQ+関連テレビ作品がエンタメ界を席巻する土壌になったと言われています。

また、各出演者の出世作にもなっていて、本作で"産んだだけのただのおばさん"を演じるクリスティーン・バランスキーは、「ビッグ・バン・セオリー」のレナードの母親役としてお馴染みでは?お手伝いさん役のハンク・アザリアは、「モリー先生との火曜日」の映画化作品の主演に。息子役のダン・フッターマンは、後に「ウィル&グレイス」でカミングアウトしたばかりのダサ男(→イケメンに変身)・バリーを演じることになるのを知っていると感慨深い。

「ウィル&グレイス」で続けると、本作の設定はジャックの息子が保守派の女性と結婚するストーリーにつながり、本作のグアテマラ出身のお手伝いさんの独特なしゃべり方・訛りは、ジャックの夫エステファンへと引き継がれています。

関係ないけど変装しての脱走劇は、カルロス・ゴーンを思い出しました。あれは普通にバレるでしょ(笑)。
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