じーふい

激動の昭和史 沖縄決戦のじーふいのレビュー・感想・評価

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)
5.0
鉄の暴風、勤皇隊、ひめゆり、集団自決、特攻、火炎放射、、、
沖縄戦の凄惨な歴史は断片的に知っているが、線としてどのようなことが起きたのかを掴むことができる。仲代達矢演じる主人公八原博通は実在の将校で後世の視点からすれば軍人として優秀な人物であるが、八原の戦術が県民の死者を増やしたことも忘れはなるまい(劇中もそのような描写がある)。
玉砕すべき勢とゲリラ戦を展開すべき勢が対立した結果、軍人の大半は玉砕し、住民はろくな武器も持たされずに徹底抗戦を命じられたことになった沖縄戦の悲劇が主軸に置かれている。
終盤には数々の悲劇がダイジェストと共にテンポよく流れてきて悲しむ間もなく、終わる。何というカタルシス。
流血とバラバラになった手足は際だって画面としてグロテスクなものはないが、我が子や伴侶を自分の手にかける集団自決のシーンは知識としてはあってもトラウマ級の衝撃だ。
沖縄と真摯に向き合いたい人は必見である。
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