camuson

激動の昭和史 沖縄決戦のcamusonのレビュー・感想・評価

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)
4.2
沖縄現地で米軍の上陸を阻止するために作戦を練る上級軍人、
作戦を実行する下っ端軍人、大本営、現地の政治家、疎開する児童、
学徒動員された学生、野戦病院に動員された婦女子、
様々な人を巻き込んだ沖縄決戦を、
日本側視点のみにフォーカスしつつ、俯瞰的にとらえる大群像劇として、
今見ても、日本映画にしてはあまりチープさを感じさせない臨場感、
切迫感で、描いています。

感傷的な演出などはほとんどないまま、淡々と描写されるので、
ややもするとドライな印象を持つのですが、

その中にも、ところどころにユーモアがちりばめられ、
作り手による人間に対する慈しみに包まれた作品だと思いました。
押しつけがましさを感じさせない懐の深い作品です。

視聴にあたっては、前述のとおり、淡々と事が進んでいくので、
史実を知らないと、なかなか心に残らないと思われます。
途中良くわからないことがあったら、躊躇なく再生を止めて、
史実を調べながら見るのもありかと思いました。

というか、私はそういう見方をすることで、
より興味を持って作品を堪能することができました。

蛇足:
川津祐介がイケメン。今は目を細めた温和な印象だけど、
当時は日本人らしくない堀の深い眼光の鋭さ。
重要な役目ではないにもかかわらず、
なぜかnetflixでは再接続時の読込み待ちの画像に採用されている。
camuson

camuson