佐藤克巳

激動の昭和史 沖縄決戦の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)
5.0
東宝8.15シリーズの総仕上げをした新藤兼人脚本、岡本喜八監督の日本戦争映画の最高峰。日本人の宿願、沖縄返還協定が締結された記念すべき年の映像化で、翌年沖縄本土復帰を果たす。そうした激動の昭和史最終ページだが、岡本監督らしい前半のスポーツ感覚すら交えた、大本営からのミスリード乍ら小林桂樹の牛島満中将以下の現地司令部と日本軍及び沖縄民は決死の奮戦をする。しかし後半は、米軍の無限に近い物量作戦の前に無残な後退を余儀なくされ、正に本土戦争の地獄を浮き彫りにした光景が連綿と続くスペクタルに唖然。また、参謀長丹波哲郎と高級参謀仲代達矢の「二百三高地」コンビの名演も然る事乍ら、大隊長高橋悦史、海軍陸戦隊長池部良、ひめゆり部隊酒井和歌子等の素晴らしい熱演が次々織り込まれた日本人必見の作品である。
佐藤克巳

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