こぅ

二つの世界の男のこぅのレビュー・感想・評価

二つの世界の男(1953年製作の映画)
4.1
[タツヤ発掘良品]にも認定された、もう一つの【第三の男】(姉妹品)とされる、キャロル・リード監督による、第二次大戦後のベルリンが舞台の【巻き込まれ型・ラブ・サスペンス】の秀作。
脚本は、【情婦】のハリー・カーニッツ。

ラブと言ってもキャロル監督は硬派、決してスイートな感じに仕上げる気は毛頭無いようだ。

的を得た邦題。

東西冷戦下のベルリン。西側に住む兄を訪ねてイギリスからやってきたスザンヌ(クレア・ブルーム)が、義姉ベッティーナ(ヒルデガルド・ネフ)を介して東側で諜報活動を行うイーヴォ(ジェームズ・メイソン)と知り合い、陰謀に巻き
込まれていく…。


冒頭の空港から、常に付き纏う見張りのような謎の少年、義姉の誰かに怯える不安気な様子、、という【不穏の提示】。
それを察知して気に掛けるスザンヌ。

それが何(誰)なのか早々に明示してから、逆にスザンヌを義姉が気に掛ける立場になる【状況の逆転】が面白い(上手い)し、無駄無き脚本のキレ、メリハリには唸るしかない‼︎

ブランデンブルク門を境に東西ベルリンの境界で、東はソ連占領地区、などの当時のベルリンのちょっとした観光案内的貴重な資料映像としてもお得⁈

斜め構図や、光の使い方が秀逸で、モノクロの鮮やかなコントラスト映像を観る(出来ればBlu-rayで)だけでも十分価値がある‼︎

2女優のファッションもお洒落。

【不穏ムードや哀愁的劇伴】もかなり効果的。

あの状況下で、スザンヌを護衛しなかったのに併せ、思わぬミスも起きる、、

イーヴォは、正直で、余裕がある男。
スザンヌは、繊細で賢く、度胸がある女。

クライマックスは、スザンヌを帰す(越境)為の逃亡劇。
数々のピンチが襲う過酷な状況ながらも、2人の会話や時折見せるスザンヌの笑顔で緩和され、スリリングで儚い命がけデート(ラブパート)と思わせるのが粋。

こんなに 光量のある夜描写 も珍しい(荒廃した建物が【SF映画】の如く見える)。


ワンクッション置いてのドキハラの挿入。ラスト前の車中の会話(契り)が、◯◯無い締めに効いてくる。


*DVD鑑賞直後、内容以上にモノクロ美麗映像に魅せられユーズド【Blu-rayを即発注】したのは言うまでも、、


*スザンヌ役、可愛い系のクレア・ブルームは、ジュリエット・ビノシュ似⁈(本編ではもっと似)。
https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcQNFO3-CtlHmAfrcq8MWRA3WJ1oEiKOTaMHZg&usqp=CAU
こぅ

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