Nanami

大江戸五人男のNanamiのレビュー・感想・評価

大江戸五人男(1951年製作の映画)
3.7
昔、歴史の授業で江戸時代の歌舞伎の演目の多くは時事ネタをアレンジしたものだったと学んだのを思い出した。権力者を皮肉るような内容だとすれば、バレたら結構マズい。そりゃ命懸けで演じることになるわな…
迫力満点の皿屋敷上演シーンは思わず息を飲んだ。
市川右太衛門演じる水野が暴虐な旗本で、阪東妻三郎演じる長兵衛は水野に対抗して庶民を守ろうとする町奴の親分。
この2人の対立は史実として有名らしい。

なんでそうなるの…?という風呂場での格闘シーンは迫力あってよかった。侍相手に互角に闘える長兵衛さすが。剣戟王阪妻の見せ場を作らないといけないよな。
やられちゃうんですけども、表情の演技が凄まじくてもっと見ていたかった。

ラストは考えさせられた。勇気ある人の犠牲で街の平和が作られたわけだけど、本当は誰も犠牲にしちゃいけないしそもそも身分制度によって生まれた横暴な侍が悪でしかない。人間みな他人にリスペクトを持つべき。

当時の大スター集合、長かったけど楽しく鑑賞できた。
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