キングレコードから出ているDVDの一覧を見ていて本作を知る。ミア・ファロー主演でこんな映画があったのか！という感じで慌ててレンタルで見てみたが、考えてみたらキャロル・リードの作品を面白いと感じたことはなく（無論「第三の男」も）本作もFilmarksの高評価ほどのものではないと感じた。ロンドンの街を雇われ探偵とミアが、お互いの孤独を共鳴させながら歩き回るシーンこそ映画的だったが、取り立て見るべきところはなかったし、階級や出自による趣味や感性の隔たりも愛があればわかり合えるというストーリーはハートウォーミングというよりもはやファンタジーの領域で全く共感できない。もっとも「第三の男」のように辛気臭くないだけましか。
