『フランシス・ハ』とセットで観たい、最新作でもコンビを組んだバームバックとスティラー、コンビ1作目。
PTAはサンドラーと組んで不機嫌な男を描いていたが、バームバックはスティラーの神経質さをじわじわやっている。
気にくわないことがあれば会社に抗議文を送る事が趣味かのような大工仕事くらいしか取り柄のない元バンドマンメンヘラ無職40男という非常に困った人をスティラーが不機嫌に演じ、生きるのが下手で人一倍自尊心の高い男が周りに迷惑をかけ、悶々とし、それでも人生は続くといったお話。
本当に面倒くさい様が目立つのだが、それが逆にその対岸にある、色々ありながらも折り合いをつけ人生を受け入れて歩んでいる人たちとの関わりのありがたさみたいなものを目立たせていて、そういった事を描くのがまるで自省でもあるかのようだ。
リス・エヴァンスの抑え方もいいが、本作の魅力パートを一手に引き受けているグレタ・ガーヴィグがとても良い。
音楽のつけ方がとてもステキなバームバック監督だが、今回は主人公を反映してか、ここも抑えた感じでよかった。
あまり日常的ではないキャラとその雰囲気の面倒くささからか、現在日本では配信のみのバームバック作品だが、それで知られるチャンスが少ないのはなんとも残念だ。
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