夢破れて精神を病み「何もしない」と決めたロジャー40歳。
成長しきれない自分へのもどかしさから癇癪を起こしたりクレームの手紙を書き続ける神経質なロジャーと、流されやすくて不器用な25歳の家政婦フローレンスの恋。
人の痛みに触れると人って優しくなれる…なんて甘くはない。
二十年ぶりにNYから帰って来たLAで友人たちに会っても、家族を持ったり離婚問題に悩んだりする彼らと、何も持たず何もしないロジャーとの溝は埋まらない。
唯一付き合ってくれる昔のバンド仲間、アイヴァン(リス・エヴァンス好演)とやり合う「あの時はそんなつもりじゃなかった」との口論には胸がチクチク痛んだ。
本気でイラつく程ベン・スティラーの神経質的演技がハマってた。
グレタ・ガーウィグ演じる優しく不器用なフローレンスは、この後の『フランシス・ハ』を思わせる。
ノア・バームバックが書く、生きるのが上手くない人々の会話劇は本当に好きだ。ちなみにジェニファー・ジェイソン・リーもプロデューサーと脚本兼ねて出演。
