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メッセージ そして、愛が残るのodyssのレビュー・感想・評価

2.0
【残念ながら・・・】

原作は未読ですが、原題は「で、それから?」というような意味のフランス語。邦題を考えるのは難しかったろうなとは思いますけど、どうもうまくないんじゃないか。人が「この映画、見てみようかな」という気持ちになるのはタイトルの巧みさにもよっているのだから、もっと気の利いたタイトルが考えられなかったのか。

で、見てみての感想ですけど、端的に言って失敗作じゃないですかね。かなり思わせぶりなところがあるんだけど、最後に来ると「要するにそれだけのことだったの」としか思えないし、最後の最後で夫が妻に寄り添うところも良く分からない。なぜ絶望の淵に沈まないのか? (ネタバレになるのであんまり踏み込んで書けないんですけど。)

あと、キャスティングですが、他はともかくとしてジョン・マルコヴィッチは良くない。もともと私はこの人あんまり好きじゃなく、何で俳優なんかやってるのかなあというような風貌で、つまり美男でもないし逆に醜さ故に印象的なのでもなく、脇役として味があるのでもなく、独特の面白さがあるというのでもなく、要するに使いようがない俳優じゃないかと思うんですが、ここでも何か役柄に合っていない。

全体として見ると筋書きの思わせぶりで最後まで観客を引っ張っていくのではあるけれど、どこか希薄で、うまく行けば不可解だけど忘れられない夢のような映画になったかもしれないんですけど、結局辻褄合わせと上述のキャスティングの失敗で「夢のような映画」になりそこねました、というところじゃないでしょうか。
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