oskyut

ローラーガールズ・ダイアリーのoskyutのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

母親から美人コンテストに出場させられているブリスがローラーゲームにのめり込んでいく話で、まず雰囲気が最高すぎる。
約10年前の作品で、当時観ても懐かしさを感じられたんじゃないかくらいノスタルジーに溢れてる。
初めてアメリカって国がある事を知って、あの頃想像したアメリカの概念を映像化した様な感じ。

これは勝ち確だなと思ったシーンが、ローラーゲームのオーディションにブリスがバスに乗って向かうところ。
バイト先のダイナーで友達のパッシュが働いてる姿を見つけて、パッシュは気付かないのに手を振るのが、コイツ頼りないけど可愛い奴だなっていう雰囲気を一瞬でわからせてる。
この作品の中で、ブリスは美人コンテストとローラーゲーム、家庭とチームメイト、彼氏と友達など色々なものに板挟みになっていて、どちらかを選んで白黒はっきりさせないといけないのに決めあぐねている感じの子で、どちらを選ぶのか揺れてるのがとても良い。
後から振り返った時に、この感じが青春の成分なんだと思う。

彼氏とプールで泳ぐところも良い。
ブックスマートでも少し似た感じの映像があって個人的に水の中に潜るシーンが好きなだけかも知れないが…
ただ、これは実際に泳いでいるかが曖昧で、直前にブリスが腰のあざを母親に見つかるのにプールでは消えていたり、水に潜っていたはずなのに髪があまり濡れていなかったりするのでメタファーとしてプールで泳いでる事になってるような気もする。
でも映像はきれい。

あと、最後の最後、ブリスが美人コンテストで読むはずだったスピーチの原稿。
結局ブリスは同じ日に開催されるローラーゲームに行くことを選んで、母親もそれを観戦した後に、母親にドレスと一緒に原稿が返されて読むことになるのだが、ローラーゲームの決勝戦を挟んだ後にこの原稿の内容を知るとかなりグッとくる。
ずっと呂布カルマと同じ眉毛をしてる嫌なお母さんだなと思ってたけど最後は理解を示してくれた所まででブリスがひとまわり成長したなと思う。
お母さんのキャラが強すぎて印象に残りにくいけど、お父さんが影の立役者で最後の機転の利かせ方はさすが。
と言うか、両親が試合を見に来て嫌がらないブリスもいい子だし、親が出てきてブリスのために行動してくれるチームメイトもいい奴ら過ぎる。
oskyut

oskyut