映画漬廃人伊波興一

殺しの烙印の映画漬廃人伊波興一のレビュー・感想・評価

殺しの烙印(1967年製作の映画)
4.2
日本の宝を4Kデジタルリマスター版で堪能

鈴木清順
『殺しの烙印』(4Kデジタルリマスター版)

映画好きなら誰もが周知の(鈴木清順問題共闘会議)を今更引き合いに出すのも躊躇います。

まだ観ぬ観客たちにはただ、1960年代に出現した日本映画で、21世紀の現在、世界で活躍する作家たちをいまだにたじろがせる逸品として受け止めて頂きたく思います。

何よりアメリカのジャームッシュやタランティーノ、フランスのカラックス、香港のジョン・ウー、韓国のパク・ジャヌクやポン・ジュノらの乱舞の軌跡がその事を証明しています。

監督鈴木清順とシナリオグループ具流八郎らの極めて手の込んだ、仕掛けや重層的な笑い、アクションやエロチシズムに対する屈託と浮薄な現象への関心、ナンセンスともいえるくらいの嗜好への偏執などをして、最も独創的なピンク映画とみなす識者やファンも少なくないのです。