horahuki

殺しの烙印のhorahukiのレビュー・感想・評価

殺しの烙印(1967年製作の映画)
4.3
記録です。

鈴木清順監督作。めちゃくちゃ好き!何より発想が厨二病すぎる!まず殺し屋のプロランキングってなに?😂自分はランク3で、ランク2&4とバトルするだとか、誰も見たことがない幻のNo.1の存在とか何この世界😅漫画とかアニメとかどこかで見たことある設定だし、この頃からこんな発想で映画作ってるのが堪んない!渋いイケボで「男前の殺し屋は香水の香りがしたぁ♪」とか謎の歌を締まってるようで締まってない謎のリズムで歌い出すオープニングからしてサイコーだし、「俺もかつてはNo. 1の栄光を狙ってたんだ…」とか漢の哀愁たっぷりに語った次のカットであの方が間髪入れずにダイバー姿でドボンとか遊び過ぎ!絶対笑わせにきてるよね😂そんな感じで終始、(当時流行ってた?)“漢らしさ”を茶化して地に落とすかのような動機で構成されているように思えるし、“漢”として威勢を張るキャラたちは全て(No. 1も含めて)それとは真逆の裏付けを取られる。主人公も当初はその“漢”に塗れた存在として登場しつつも、自身で口にした「掟」を悉く破り、見送った際の浮かない表情から故障停車するという心的反応(“漢”の停止)、そこから女に拾われるところまで含めて、“漢”としての男性性喪失を序盤のうちに暗示させる。それを受けて、掟破り(目の前の行為対象への心在らず感)を実感させる(空であり続けるベッドを絡めた)性行為の細かな編集から異常が始まり、ガスライターでの1度目のミス→蝶ミスと変容をきたしていく…というより蝶ミスで結実する。鳥の死骸と蝶の死骸、そしてのその位置関係主従関係も含めてこの辺りのジャーロ感すごいし、その両者と水がなにを見立ててるかが全部アニメーション?みたいなので答え合わせしてるのも見てて楽しい。故障停車のとことか超絶ロングショットってところがまた堪んない!すんごい哀愁漂うし全く嫌悪してるわけでないってことがよくわかる。そういうのも含めてこれまでに対する何かを紛れ込ませたかったようにも見えるなーって思った。

そういった作風や訳のわからんジャンプカット・極端な跳躍等の独特な編集・画面構成も含めて、見ている時の感覚がほぼジャーロ!それと宝石商シーンのPOVはPOV殺害であるだけでなく、その後の死が現世に残すエネルギーへの分析だとか、主観→客観への急激でシームレスな変更による驚き等の浮遊感とか混濁感とかもうそのもの。あんな魂のこもった「チェッ!!!」初めて見た😂


書き殴ってるだけなのでコメント等スルーしてください🙏
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