お恥ずかしながら小津安二郎作品は「東京物語」に続いて2作目。
笠智衆が演じるお父さんの一言一言がたまりませんね。観ていると祖父のことを思い出します。昔の日本のおじいさんってこんな感じでしたよね。
話…
『晩春』は、戦後の個人主義の台頭によって伝統的な家制度が緩やかに解体されつつある時代背景を舞台に、娘の嫁入りを通じて二重の別離を描き出す。ひとつは肉親としての父―娘の絆の断絶、もう一方は家父長制的な…
>>続きを読む切ないな〜今と違って、結婚=親子の縁が切れるようなある種お別れみたいな通過儀礼だったんだなと。そしてずっと父と子で暮らしてきた2人なら尚更。
紀子の気持ちはファザコン的な意味じゃなく、結婚に乗り気じ…
簡素でありながら、とても強固なメッセージを持った、威風堂々たる作品だった。
まず、物語構成が明確で、一つ一つのシーンに一切無駄がない。
物語を、画面の中に映るものと登場人物のセリフだけで表現しきっ…
京都への旅行に、ツァラトゥストラはこう語ったの原書を持ってくる父親笑
ほぼ定型文と決まり文句のみで構成されているセリフなのだが、家族が果たすべき役割とは何かということにもし時代や地域を超えた普…
紀子さんは本当にそれでいいの?って最後まで思ってしまった。でも周りの圧力もあるし世間の目を気にするとそれでいいのかもしれないけど、花嫁姿で俯いているところとか腑に落ちてはないのかな、まだ。とにかく心…
>>続きを読むお母さんと二人暮らしの話が「秋日和」で、お父さんと二人暮らしの話がこの「晩春」。
どちらも娘が嫁入りする前の心の葛藤と、周囲の愛とが描かれていて、大変沁みます。とくにこの「晩春」の中に出てくる「結…
叔母さんがとんでもなく面白くて、熊太郎?さんの呼び方に悩んで最終的にくうちゃんにすることにしたこととか、そのあとの紀子が帰ってきてなんでもない話をしてるフリしてたりとかほんっとに面白いしナチュラルで…
>>続きを読む表情と情景。
人の顔とはこんなにも感情を湛えるものなのか。表れるそれはまるで、感情という感情を顔に溜め続けて飽和し、滲み出てきたようだ。そこから伺うことのできる機微の豊かさたるや。「表情」という言…