しんどう

晩春のしんどうのレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
3.9
本当に小津安二郎という監督は凄いと再認識させられる作品だ。
27歳になってもまだお嫁に行こうともしない娘と妻を早くに亡くした父親。
自分が結婚してしまうことで父親の面倒をみる人がいなくなるという理由をこじつけてはいるが本当は父親のことが好きで好きで仕方がない。
そんな娘が自分の縁談を断りながらも父親の縁談の話になった時に、今まで見せていた陽気な顔とは別のもうひとつの顔。
この時の原節子の顔が凄く怖い顔で印象的だ。
結婚を決めた後、父親と京都へ旅行をしてその旅も終わりいよいよ鎌倉へ帰ろうという時、 自分の思いの丈を父親に吐露するのだが、そこからラストまでの約20分間は一瞬たりとも画面から目が離せない。父と娘の会話一言一言が心に響く。
ほんとにいい作品だった。
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