しろわ

晩春のしろわのレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
3.8
日常系みたいな会話してるって言うから見たけど、「頼朝公が幕府を開くわけだ」ぐらいだった。こなたが言ってそう。
とはいえ、特に事件も起こらず、提示された主題が緩やかに解決するのは日常系っぽい。
家父長制が徐々に崩れ、恋愛結婚や離婚という選択肢を女性が選べる時代への過渡期を感じた。ただ、それは社会全体を概観した話であって、個人レベルではイエ(父)に尽くすことに喜びを感じていたり、結婚すれば必ず幸せになると考えていたり、と多様である。父と娘が互いを思い合うが、互いに相手にこうあって欲しいという理想が異なるためすれ違う。時代と年代のギャップが切ない。今同じ作品を作るなら多分嫁に行かないエンドになるだろうな。(これは私見だけど、現代は多様な幸福を認める、選択肢が開かれていると言うよりは、旧来の価値観を廃絶する方向な気もする)
あと、戦後数年でここまで復興していることにビビった。戦後の人々のバイタリティヤバすぎる。
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