まいたらしえくらん

晩春のまいたらしえくらんのネタバレレビュー・内容・結末

晩春(1949年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

日本映画のなかで一、二をあらそうまともさの大学教授の描写をまさか小津安二郎で見るとは(対抗:『良いおっぱい悪いおっぱい』)。

「後妻をもらうなんて不潔だ」と若干のくどさをおしてでもくりかえす以上、"結婚=寝ることでもある"というのは深読みでもなんでもなく、となると父と娘の"婚前旅行"の、床をならべた旅館のシーンはこれまでさんざん映画評論で触れられてきた以上のがっつりさで効いてくる。いや参った。原節子によって確かに小津安二郎の家-族映画は完成された。しかも、それがしれっと行われるのにも参った。松竹ヌーヴェルヴァーグっていうのは思想的にほんとは小津安二郎のことなんじゃないのと思った。