犬のロボット

晩春の犬のロボットのレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
4.2
家族が解体されていくというシチュエーションは小津監督の作品らしかったが"普通の"家族とその解体というにはこの父娘の関係性の薄暗さが強く印象的だった。娘の父に対する執着心はある種家族という関係性が生んだ呪いのよう(ベルイマンも似たようなテーマで映画を撮っていた)。概して、この物語は結婚という儀式において娘を生贄に親子関係の呪縛を解く物語であるいう印象を受けた。呪いを解く代償として娘が捧げられる瞬間はどこか気味の悪さを感じた。そして、小津監督はやっぱり日本家屋を撮らせたら天才的。どのショットにも奥行きがあって狭さを感じさせない。
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