原節子という存在そのものがそうであるように、本作もまたある種ミステリアスな部分が多くある。
自分には、紀子が単に父を愛しすぎるがあまり離れられないのか、ただそういうふうに訳を作るだけで何か個人的な…
(別媒体から感想を転記)
2021/03/08
父をひとり残して嫁に行くことのできない娘の背中を父がやさしく後押しする話。なんたる笠智衆、細やかな会話劇の中に父の勇気ある決断が隠れていたことを知っ…
父と娘の関係や娘の結婚といった題材を、幾何学形態を活用した画面構成で描き、人為的な要素を意識させて映画が進んでいく。波が映るショットでは、幾何学形態を構成する要素としての建造物などは画面に配置せず、…
>>続きを読む日本映画のなかで一、二をあらそうまともさの大学教授の描写をまさか小津安二郎で見るとは(対抗:『良いおっぱい悪いおっぱい』)。
「後妻をもらうなんて不潔だ」と若干のくどさをおしてでもくりかえす以上、…
名作を見てみようシリーズ。
国内外、特に外国の監督が影響を受けた人物として黒澤明と並んで(それ以上?)名前が挙がる小津安二郎。
果たしてどんなもんなんだろうっていうハードルに加えて、古い映画の見慣れ…
晩春
・小津監督は誰にも批判の余地もない名監督、小津の作品を挙げておけば間違いないというぐらい映画の中で地位を築き上げた監督ではあるが映画の鉄則中の鉄則であるイマジナリーラインが全くない監督である…
全部美しかったけど、特に叔母とのやり取りが印象に残っている。結婚をしつこく勧められてもあの明るすぎる笑顔でかわしていた紀子が、父親の再婚話が出た途端に感情をむき出しにする。結婚したくないんじゃない。…
>>続きを読む原節子はこれまで見た作品の中では歯を見せて笑ってる表情が印象に残ってたけど、今作では怒って黙りこむ表情が見れて新鮮だった。口角が下がって澄ました目だと別人に見える。
今見ると結婚せずに父親との生活…