感動の嗚咽が止まらなかった
こんなに多くの１日があり
リアルにみんな生きている

おまえの１日も
この、みなの１日と
同じ時間を生きているんだよって


だから強く生きられるねって
とてつもない勇気をもらった

生のパワーに溢れる映画だった

• #座右の映画

“今日はなんもない日だった。でも明日は何か起こりそうな気がしてる。”

2010年7/24（土）のあるなんともない１日の映像をYouTube上で募集したら192ヶ国、80000本以上の動画があつまり、それをリドリー・スコット指揮の上１つのドキュメンタリー映画にした作品。何故か凄く泣いた。

静まり返る深夜から始まり、目覚ましの音と共に世界中の人々が起きる。歯を磨き、コーヒーを飲んで、朝ごはんを食べてそれぞれの目的地に出かける。セリフもない、きまりもないそんな“生きた”映像達は所謂計算して造られた映画とは全く違う魅力を生み出す。画質も言語もカメラワークも全く違う映像たちが１つの作品に見えてくるのは、編集と音楽の賜物。自分は2010年7/24はまだ高校二年生だったなぁ。

Life in “A” day ってタイトルがTheじゃないところがいいよね。この世界の誰かの何もない日でもかけがえのない１日でひとつの映画にできてしまうんだって。久々にドキュメンタリーの良さを再確認できた傑作だった。

• #ドキュメ映画録

【地球に生きるわたしたち】89点
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監督:ケヴィン・マクドナルド
製作国:アメリカ/イギリス
ジャンル:ドキュメンタリー
収録時間:95分
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今こうしてる間にも地球上では様々な人達が生活をしています。また、新たな命が生まれては儚い命が消えていったりもしていってます。
今作は、世界中から集めた8万本、4500時間以上に及ぶ投稿映像を95分のドキュメンタリー風に編集したという労作。2010年7月24日の世界中の人々の普通の生活をひたすら映し続ける異色作ではありますが、個人的にはかなり好きな部類に入ります。ストーリーはないに等しいですが、いつまでも見ていたいという気持ちになります。

端的に言うと、この世界には70億もの人間のドラマがあります。その全てを垣間見ることは不可能ですが、世界中どこでも簡単に映像を撮れる時代に入った今、それらの一部を網羅的に閲覧することは可能であります。今作に登場する人物たちは、ほとんど一度きりの登場。数人は何回か出てきますが、基本的には使い捨て。朝日とともに一日が始まります。トイレをしたり、歯磨きをしたり、出勤したりと何の変哲もない映像をいろんな角度から見せてくれます。

貧困の中暮らす者もいれば、同時間に優雅にダイビングやサーフィンをする者もいます。また、フェスで騒ぐ者もいれば、難病を抱え病院で寝ている者もいます。時間は等しく平等に流れすぎていきますが、その同じ時間に様々なドラマが地球上で展開されています。しかし、自分は自分のドラマを展開するだけで精一杯です。とても、異国の人のドラマの展開なんて考えていられない。そういうことで、少し前までは実現不可能に近かったことをこの映画は何気なく達成しています。同時間のあらゆる人のドラマを網羅的に閲覧出来る。何気ないことかもしれませんがこれは素晴らしいことだと思います。

ストーリーはないに等しいと言ったものの、静かにいろいろ考えさせてくれる良作です。また、時折撮影者が質問をして、それを回答する人達のシークエンスがあるのですが、これが良い。中でも、「あなたの怖いものは？」という質問の回答が考えさせられました。ある者は犬、ある者は家に出てから無事に帰れるか、そしてある者は死ぬこと というのです。まさに多種多様。一つの質問に対して数え切れないほどの回答があるのです。これは改めて面白いと思えました。

主人公はこの映画に映る人全員です。なんなら、人類70億人全員が主人公です。「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」というゴーギャンの作品名を思い出してしまう、哲学的な映画とさえ思えました。ドキュメンタリー好きには特におすすめ。

• #100分以下
• #tmy整理ドキュメンタリー