ダオ

宮澤賢治 -その愛-のダオのレビュー・感想・評価

宮澤賢治 -その愛-(1996年製作の映画)
3.6
1996年につくられた神山征二郎監督作品。愛と苦悩に満ちた宮沢賢治の半生を描いた伝記ドラマ。賢治生誕100年を記念してつくられたもの。

この3月から毎月1回6回にわたってNHKEテレ『こころの時代』で宮沢賢治の特集があって、そのおかげでこの映画を楽しく見ることができました。が、しかし、まぁ、わりと浸透した宮沢賢治像を描いていました。

その6回の特集の前に宮沢賢治を追ったドキュメンタリー番組『業の花びら 〜宮沢賢治 父と子の秘史〜』があって、これがなかなかの問題作だったんです。賢治と宗派をめぐって確執のあった(とされる)父が亡き賢治の詩碑文として選んだのは『雨ニモマケズ』ではなく『業の花びら』だったというんです。

そっから今の時代を象徴するようなお話が展開されました。曰く賢治は盛岡高等農林学校時代に出会った保阪嘉内を愛した(今野勉さんはずっとそのテーマで追ってるようですね)のではないかと。そう見ると『業の花びら』がぐぐっと凄みを帯びてくるというつくり。特に父と旅をして和解したであろう翌日に読まれた詩ったらクイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』みたいでね。新しい世界の夜明けというかなぁ。

まぁでもそれは異説なんでしょうね。
ダオ

ダオ