青二歳

ピーターラビットと仲間たちの青二歳のレビュー・感想・評価

4.7
【ローザンヌバレエコンクール開幕記念】頑張れ日本勢!
年々コンテンポラリーの難易度がエグく..去年といいオフバランスキツそう..とまれ皆良いオファー来ますように!
さてイギリスの本気ここにあり。ピーターラビットの世界をバレエにしちゃいました..着ぐるみで!振り付けたアシュトン(バレエ界で初めて爵位を受けた英国が誇る振付家)もどーかしてるがこれを踊り切るダンサーもどーかしてるレベルの巧みさ。
アシュトンの振付は表情豊かな足さばきが特徴。簡単にいえば、大技と大技の間だろうがなんだろうがとにかくちょこまかと細やかにステップしなきゃならんのですが、着ぐるみ着せてそりゃねえだろという中々の鬼畜ぶり。
まぁ他の作品に比べたら甘いのかもだけど。これどう見ても結構重そうだよ…?カエルの振付みると一応着ぐるみごとに可動範囲を考慮してそれぞれに合ったものにしてるようですが。

舞台撮りでいいものをワザワザ全力のスタジオ撮りだから動物たちの無表情が際立ってやや怖いのはご愛嬌。71年の撮影ですから合成処理も甘くみてあげて。
振りについてはアシュトン見慣れてる方には至ってお馴染みですが、あえて言えば万国共通の"動物ぶり"なので、能狂言の系譜にある猿楽を思うと西洋ってやっぱり価値観違うなぁと改めて感心。まこれは20世紀のものですが。

音楽もフルオケなので、お子さんにぜひオススメ。SE音だらけの昨今のアニメより情操教育には良いのかも…と適当なことを言ってバレエのポピュラー化を願う。但し原作はピーターラビットですからね。ひーっそりとブラックジョークが入っているのはご了承ください。
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