shino

ランボーのshinoのネタバレレビュー・内容・結末

ランボー(1982年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

戦争帰りでPTSDになった兵士の話だったのか。
ちゃんと見た事なかったので視聴。
もっと森で銃ぶっ放す!ぶち壊す!みたいな映画かと思ってた。(もしかして2作目以降そうなるのかな?)

悲しいお話だったけどハラハラするシーンや、うわ…痛そう…って思うシーンが沢山あり、展開も面白くて映画として楽しかった。

ランボーは強いけど怖いものがない無敵タフガイって感じじゃなくて、
過酷な戦争で得た知識を活かして大勢の敵を相手にしてる感じが人としてリアリティあって良かった。

ただ戦友に会いに来たのにどんどん追い込まれていくランボーが可哀想で、必死に闘ってる表情を見てランボーを応援したくなった。シルベスタースタローンカッコいい。ハンサム。

廃坑の前で地元で集められた討伐隊がランボーに怖がりながらもロケラン撃って、
倒せたぞってはしゃぐシーンもずっと緊迫した雰囲気の映画に緩急つけていて良かった。

映画の尺的には当然なのだけど
大佐が、ランボーは生きてるだろうけど敢えてそれを言わないでいるのがわかる演技とか素晴らしかった。

色んなシーンに言えることだけど
台詞になくても表情で分かるのが
監督の演出と俳優の演技の力って感じで素敵。カッコいい。

保安官のキャラクターも立ってた。

よく保安官って洋画で、陽気だけど肝心な所で役立たずで縄張り意識高い意地っ張りって描かれてるけど、
実際昔からこんな感じなのかな?笑

俺に構うなってナイフを喉に当てられた後
保安官が泣いたシーン。
あのくらいの歳の大人では滅多にないのに
本当に怖くて泣いてるのが伝わってきてよかった。

でも、チラッと映る保安官のデスクに置いてある剥製や勲章、でっかい金の弾とかに彼の少し下品で見栄っ張りな性格が現れていて愛嬌を感じた。

屋上で泣きそうになってるの見て
頑固だけど仕事に誇りを持ってたんだろう。街から追い出した時こんな事になるとは思ってなかったんだろうなと少し同情した。
でもお前さんが意地悪するからやで。


最後、今まで語る相手もなく張り詰めてたランボーが大佐に独白するシーン…

あれを話されて黙らない人はいないと思うけど、静かに聴いている大佐もいい。

縋られた時にすぐに抱きしめず
背に添える手が遅れるのも、大佐の一人の人としての感情が表現されてた。

訓練して命令した大佐の立場だから、
色々複雑に思うことがあってすぐには抱きしめられなかったのか…。色々考えてしまう。

英雄とまで言われるほど活躍したのに
励まし合った戦友は戦争が終わった後も兵器のせいで病死して…。
感謝されるどころ侮蔑され煙たがられる。
帰る場所もない。
トラウマがフラッシュバックして
気持ちが戦場から帰ってこれない…。

虚しさとか悔しさとか
色んな悲しい気持ちにさせられた。

戦争のPTSDで悩む人達のお話は、実際のニュースや、ランボーより後の作品で見ていたけれど
お話がシンプルでわかりやすく、感情移入しやすかった。

それでもキャラクターの表情や演出が魅力的で映画としても楽しめる上に、
当事者でない人にも戦争の悲しさを訴える素敵な映画だと思った。

自分の大事な人が今、戦争や抗争に巻き込まれていない事にただ感謝したいし、
これからもそうであって欲しい…。
shino

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