Dio

ランボーのDioのレビュー・感想・評価

ランボー(1982年製作の映画)
4.2
「男」とは、
山小屋のような質素な家、
竈で焼ける取れたての肉、
ゆったりとしていてがっしりとした作りの椅子に深く腰をおろし、
はぜる暖炉を眺めながらウィスキーを舐め、
好きな音楽と繰返し読んでボロボロになった本を愛す。
こういったものを「理想」とする生き物です。

それは「孤独」すら意に反さない「強さ」を象徴とする「孤高」こそが唯一無二の格好良さだからと信じているからです。


ランボー。
まさに男の中の男。
どんな過酷な環境にも耐え、
ヤギの吐瀉物さえ食べ、
あらゆる痛みを乗り越えることが出来る無敵の殺戮マシーン。

まさに僕らの理想。
The ランボー、万歳ランボー。


それなのに現実の僕らときたら。
社会の波に揉まれ愚痴をこぼし、やれ彼氏がどーだの奥さんがどーだの、上司がどーだのと喚く、弱い弱い生き物です。それがリアルです。


だけど、ランボーだって辛い。
ベトナムから幾度の死を乗り越えて帰国しても待ち受けていたのは蔑みの嵐。
かつての仲間は死に、誇りは地に落ち、誰からも疎まれる。
だからランボーの叫びに僕らは心を打たれる。

そう、ランボーだって辛いんだ。
あんなに、男の中の男でも人間だ、おんなじだ、弱いんだ。
僕らはそれを知らなくちゃいけない。
僕もランボー、君もランボー、みんなランボー。


11th Apr 2016
Dio

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