さわら

ランボーのさわらのレビュー・感想・評価

ランボー(1982年製作の映画)
2.5
「おいおい、ピート(ディズニー)似の保安官が気に食わないからって街まで破壊するなよ」なんてかなり理性的に観てしまった。
ひたすら繰り返されるゲリラ戦、サバイバル映画と思いきや終盤で様相を変える。もともとベトナム帰還兵のランボーは、日常生活で支障が出るほどのトラウマを抱えている。さらに親しい友人もおらず、周囲の人からはベトナム帰還兵として目の敵とされてきた(らしい)。だからこそ、その悲しみと辛さから出たラストのランボーの雄叫びは胸を打つものがある。
しかし、しばらくすると「だとしても、あれはやり過ぎだよなー」なんてかなり冷静な気持ちに。公開当時、アメリカでは今作上映後、ベトナム帰還兵への対応が世論的にいろいろ変わったようだが、なんともアメリカ人は多少単純すぎる気がしなくもない。そもそもトラウマを抱えた人が暴れ回ったりするのだろうか。むしろ、静かに部屋でじっとしてる方がリアルな気がする(まぁ、自宅に引きこもるランボーは観たくないが)。
とにかくド派手に爆発・破壊をしてるわりには、なんか内容的には薄かった。昔だから仕方ないとか、過去の名作だからとかいろいろ批判を生むかもしれないが、僕はそう思う。ネズミ一杯の炭鉱は想像したたげで鳥肌が立ちそうだったが、それ以外これといった見所がない。まぁ映画史の教科書的な映画だから、観といて損はないのかななんて偉そうに思ったり思わなかったりする。
それにしても、シルヴェスター・スタローンって苦労人なんですよね。生まれたときからの障害とかそれが原因のイジメとか。それに、今作撮影中には肋骨4箇所骨折とか、並大抵の役者ではありません。だけど彼の作品を観ると、胸やけを残すのも事実なわけで。まぁそれだけ唯一無二な役者の代表格といっても過言ではないと思う。