かるまるこ

ランボーのかるまるこのレビュー・感想・評価

ランボー(1982年製作の映画)
3.7
戦争映画の皮をかぶったスラッシャー映画。

戦後日本が『ゴジラ』を作らねばならなかったように、ベトナム戦争の怨念の総括としてアメリカに必要だった映画。

アメリカ本土の片田舎でベトナムの戦場が再現されるわけだが、ランボーが現地とは逆の立場、つまり、自らが散々殺してきたであろうベトコンゲリラ兵と同じ立場へと追い込まれることで、彼の苦しみが倍増し、怨念としか言いようのないものへと昇華してゆく。

ほぼおっさんしか出てこない為わかりにくいが、スラッシャー(殺人鬼)映画のフォーマットを巧みに利用している。
ランボー=殺人鬼。
ランボーに人間性を与えず、主役をトラウトマンにし、トラウトマンをうら若き処女(唯一人怪物と心を通わせることが出来る存在)に変換すれば、大体スラッシャー映画になる。

雷鳴轟く森の中で暗闇に乗じてトラウマを抱えた殺人鬼がその原因を作った奴らを成敗していく話。
だが直接的に自分を生み出した上官には逆らえないあたり、皇居を破壊出来ずに帰っていったゴジラを思い出す。
かるまるこ

かるまるこ