KnightsofOdessa

きっと全て大丈夫のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

きっと全て大丈夫(2006年製作の映画)
4.5
三部作の名前は知らないが、多分付けるとしたらメランコリック三部作とでも呼ばれるのだろう。スポットライトが当たるかのように黒い画面を小さな舞台として切り抜き、多面的に展開していく舞台は空間の拡張でもあり別時間でもあり切り返し(別視点)でもある。この多次元宇宙のような空間に、帽子を被った男ビルの覚醒と崩壊が滲み出していく。日常的な習慣で時間を空費していること、人間など個性のない脳髄を覆い隠す肉の塊であること、云々という悲観的な目線は彼を着実に蝕んでいくが、結局の所そういう悩みすら大したことないのである。てめえが悩まなくても世界は回り続ける。それで納得できてしまえば、明日からもきっと全て大丈夫。そういうことなんだろう。
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