えいがうるふ

ブタがいた教室のえいがうるふのネタバレレビュー・内容・結末

ブタがいた教室(2008年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

一生懸命演じたであろう子役達には申し訳ないが、美しくまとめたつもりらしい無責任なエンディングに反吐が出た。もっともらしい食育論を語るくせに、結局行き当たりばったりで結果的に子ども達に辛い選択を強いておいて「これこそがいのちの授業だ」なんて勘弁して欲しい。
そこまでやるなら皆で手を合わせて泣きながらの「いただきます」まで描くのかと思いきや、そんな覚悟もなく人任せに逃げているのも腹立たしい。

最後に食べること前提で連れてきたのなら、むしろ最初にペットとして可愛がることと食べるために肥育することの違いについて子ども達と考えて、きちんと覚悟させるべきじゃなかったのか。もちろん「名前を付けるか否か」だって、最初に話し合うべきだった。生き物を慈しむ心を育てるのと、人の営みとして肉食の業を自覚させるのとを混同してしまうのは、あまりにも酷ではないか。

星先生のキャスティングもなぁ・・・妻夫木ではいかにも新任の思いつき先走り教師に見えてしまって、高邁な教育理念もどきを語る姿が痛々しかった。

原作を読んでいないので何ともいえないが、実際がこの映画の通りだったのだとしたら、大人として子どもたちに申し訳ないと思う内容だった。ましてドキュメンタリーではない映画にすることで感動作に仕立てようとしたのなら、論外。
内容としては1点もつけたくないぐらいだが、ほぼアドリブだったという最終的に食べるか否かを決める議論のシーンでそれぞれ自分の言葉で真剣に討論していた子役の皆さんの仕事ぶりに1.5点献上。