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ブタがいた教室のenidのレビュー・感想・評価

ブタがいた教室(2008年製作の映画)
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【2024年鑑賞】

9年ぶり2度目。屠殺や動物搾取の勉強を積んだ上で改めて視聴。作品としての感想は下記に残し、動物倫理の観点から構造について述べる。

本作は「大人のために豚と子供を利用した感動ポルノ」に過ぎない。

問題は、この教師が大した動機も無く生徒に家畜飼育の責任を押し付けた挙句、自ら気持ちが変化し、子供に殺生する選択の責任まで押し付けたことだ。
狼狽える生徒が観察対象とされ、それがさも「教育」だと正当化し、大人が「考えさせられる」お涙頂戴エンタメとなった。

小学生には友人、部活、受験など思い出はたくさんあるだろうに、卒業直前で全ての思い出が上書きされるような豚の命の決断を迫られるとは本当に気の毒に思う。最もその感動ポルノに利用された豚が一番の被害者だ。

「命の大切さ」を「考えさせる」ために豚に殺生を押し付けた先生の動機や背景は不明だが、見るからにあさはかだ。
検索したが当時の先生は今も「結論が出ていない」そうだ。くだらないが実録本は中古で購入して読むことにする。

今「命の大切さ」を知るなら、屠畜場の見学をすれば良い。大人こそ思考停止しているのだから。私はマックや牛丼屋で「いただきます」と手を合わせ命をいただく大人は見たことがない。

システム化された食肉産業を押し付けられた大人たちはずっと「考えさせられる」と思うだけで何も変わっていない。
「考えさせられる」とは普段から本も読まず「考えていない」ということだ。

【2015年鑑賞】

実際にブタを飼い子供用と大人用で台本を渡し結末を教えなかったらしく、妻夫木も子供も演技とディベートのシーンがすごくよかった。

そしてラストが惜しすぎる。。金八先生かよ。。
お涙頂戴で終わらせ監督が最期まで責任を取らず逃げている気がして全然納得いかなかった。そこで終わりじゃないだろ、なんで見せてくれなかったんだ。。

あと先生がブレるのが酷いと思ったけどドラマを作る為なのかな。
そしてモデルになった先生も名前をつける事を許した行為は本当に最低。ブタと生徒に対して一番無責任で残酷な事だ。
ペットと家畜の区別をちゃんとつけさせるべき。言いたいことはわかるけど評価はできない。
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