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ベニスに死すのkazu1961のレビュー・感想・評価

ベニスに死す(1971年製作の映画)
3.8
▪️JP Title :「ベニスに死す」
Original: 「Morte a Venezia」
▪️First Release Year : 1971
▪️JP Release Date : 1971/10/23
▪️Production Country : イタリア・フランス
🏆Main Awards : 第24回カンヌ国際映画祭25周年記念賞
▪️Appreciation Record : 2020-552 再鑑賞
🕰Running Time : 131分
▪️Director : ルキノ・ヴィスコンティ
▪️Writer : ルキノ・ヴィスコンティ、ニコラ・バダルッコ
▪️Music D : グスタフ・マーラー
▪️Cast. : ダーク・ボガード、ビョルン・アンドレセン、シルヴァーナ・マンガーノ
▪️My Review
こういう作品は、年齢を重ねてから鑑賞する方が良い作品ですね。“美”とは。。。美しいものに惹かれていく一方で、自分の老いや醜さを感じとっていく、年齢を重ねて鑑賞するとよりリアルに思うところがあります。。。
本作は、マーラーの官能的な楽曲、ベニス・リド島の風景、魅力ある美しさを持った映画です。
“故淀川長治先生が愛してやまなかった映画”“芸術映画史上に残る大傑作”こんな評価がある作品で、イタリア映画界の巨匠、ルキノ・ヴィスコンティは「この作品は私の生涯の夢だった」と語っています。終生の愛読書であるトーマス・マンの原作に改編を加え、主人公の設定を文学者からマーラーを模した作曲家として映画化した作品です。
舞台となっているのは現在はベネチア映画祭が開かれるベニス・リド島。静養のため島を訪れた初老の作曲家(ダーク・ボガード)は、ふと見かけた美しい少年タジオに心うばわれます。死に至るまで言葉ひとつ交わすことなく少年を追い続ける作曲家。決して交じり合うことなく向けられる視線の痛々しさ。絶対的な美の前に無力となる人間のもろさが格調高く見事に描かれています。
少年へ恋焦がれるあまりに破滅へと向かう作曲家を演じるのは、『召使』『ダーリング』などのダーク・ボガード。美少年を演じたスウェーデン出身のビョルン・アンドレセンの美ぼうも話題になりました。マーラーの音楽と共に描き出される芸術的で退廃的な世界観を堪能したい、そんな作品です。

物語は。。。
1911年、イタリアのベニス。静養に訪れた作曲家のアシェンバッハ(ダーク・ボガード)は、宿泊先のホテルで見掛けた少年タジオ(ビョルン・アンドレセン)に一目で心を奪われます。タジオへの思いが抑えられないアシェンバッハだったが、折しもベニスではコレラがまん延し始め。。

実はコレラ疫病が蔓延する様を描いた作品でもあります。文明は繰り返すの如く、ベニスは街ぐるみでコレラの事実を隠蔽します。時代設定が1911年ですから、情報は新聞しかありません。観光地であるベニスが感染事実を隠蔽するのは地元の経済のためなんですけどね。。。この辺りは今観ると感じ入るものがあります。
そして本作、テーマ曲にグスタフ・マーラーの交響曲第5番・第4楽章アダージェットを使用し、マーラー人気復興の契機となったことでも名高い作品なんですね。

▪️Overview
巨匠ルキノ・ビスコンティの「山猫」と並ぶ代表作で、ノーベル賞作家トーマス・マンの同名小説を原作に、作曲家グスタフの美少年への心酔と老いの苦しみを描いた。「地獄に堕ちた勇者ども」に続いて撮られた、ドイツ3部作の2作目にあたる。療養のためベネチアにやってきたドイツの老作曲家アシェンバッハは、ホテルで少年タジオを見かける。一目で少年の美しさの虜になり、彼の姿を見つけるだけで喜びを感じ始める。全編に流れるのは、アッシェンバッハのモデルになったマーラーの「交響曲第3、5番」。2011年には製作40周年を記念し、ニュープリント版でリバイバル上映された。(引用:映画. com)
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