円柱野郎

俺たちに明日はないッスの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

俺たちに明日はないッス(2008年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ジャンルは青春ドラマかもしれないが、女の事ばっかり考えてる高校生の話というところで爽やかではないw
そういう人間の泥臭い部分を隠そうとしない点で、いかにもタナダユキ監督の作品って感じ。
映像的にも暗めだしザラついているところは、高校生たちの不安定さを感じさせるかな。
主人公・比留間は女とヤルことばっかり考えて同級生には「ヤラせろ!」と迫ってみてはいるが、そこはかとなく漂う童貞感がまたやるせない。

物語は3編。
いずれも意外と純情な男子たちに比べて、相手の女子の方が大胆だったりやることやっていたりする。
そういう年頃の感じがまたいやらしいというか、生々しいというか…。
性への好奇心が暴走するちづに対していう峰のセリフは純情そのもの。

デブの安藤はデブ専の女子にもてあそばれて「体が目的だったんだね」とはw
「男子が女子にそれを言うのか!」とツッコまずにはいられないが、そのあと机に突っ伏した彼の姿は哀れ。
その上に激やせした姿には、申し訳ないが笑ったw
しかし痩せた後にそれまで懐いていた子供からも泣かれるとは、やっぱり人間見た目なんでしょうか。
うーん。

メインの比留間はラストエピソード。
同級生の友野に迫ったのは歪んだ恋の形だったのか、それでもラストには教師に負けたという事実を突きつけられて失恋の感情を理解する。
それまでタイトル通り刹那的に女の事しか考えてなかった若者が、「初めて明日のことを考えた」という独白で映画を締めるあたりは上手い。
青春は痛々しいなあ。
円柱野郎

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