このレビューはネタバレを含みます
みんなが言ってる
ヤツは呪われてるって
アイツが手をかざすだけで
人が燃えてしまうんだって
聞こえてくるのは
『焼き尽くせ』という声…
こんな風に引用されたら、黒モアさんたちに怒られちゃいそうですが…(; ̄ェ ̄)
原題は青白い馬が死神を連れて現れるというヨハネの黙示録の一節から採られたもの。
邦題の628は…当時のベラルーシ周辺において、焼き尽くされた村の数を指すものです。
ナチスドイツによる蛮行の記録。
作中、村人たちが焼かれるのは…
たった一回。
だけど、その一回の陰惨さが強烈すぎる。
主演のクラフチェンコくんも老け込んじゃうぐらい、精神的負荷の高い内容でした。
これが628回も繰り返され、多くの人が生きながら炎に包まれ亡くなっていった…きっと今作を観た人の多くが義憤を、哀悼を、反戦の想いをレビューに綴るのだと思います。
私も同じではあるんですが…
敢えて、別の事を書いてみようかな🤔
何故ここまで強硬な『反ユダヤ主義』が貫かれたのか…その理由は、第一次大戦時にドイツ帝国で起きた革命の指導者たちの多くが『ユダヤ人』だった事に起因します。
革命によって帝政は崩壊し、ロシアを打倒したにも関わらず大戦でも敗北を喫します。
『ユダヤ民族』からの背後の一突き。
その遺恨が、根っこにある。
敗戦からわずか21年後。
1939年9月に第二次大戦が勃発。
指導者原理によるヒトラーの独裁国家となった
ナチスドイツの始まりは1933年。
手痛い敗北をもたらした『ユダヤ民族』に対しての反ユダヤ主義が加熱します。大虐殺としてのホロコーストは1941年以降に行われていて、第二次大戦がそれを加速させたのが判りますね。
1945年、第二次大戦終結。
同年、ナチスドイツ解体。
さて、簡単な歴史の授業はここまで(爆)
敗戦の記憶。
ナチ党政権下での『思想統制』
子供たちへの教育…
そんな風にして強い反ユダヤ主義が根付いたのでしょう。そうして育った子供たちが大人になり、銃を握り、『Jingo』になっていく…
ユダヤ人たちを根絶やしにする。
それが正義だと、教えられてきたから。
巻き戻されていくラストシーン。
そこに何を思うのかは、人それぞれ。
アドルフ少年が、恐ろしい思想を持った独裁者になったのは…何故だったんでしょうね。
こうして放たれた炎は…
今もなお世界を焼き尽くそうと燃え続けている。
まだ声は聞こえる…