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みすゞのンのレビュー・感想・評価

みすゞ(2001年製作の映画)
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壮絶な伝記映画だと思って観たらかなりメロドラマぽくてびっくりした。

弟さんに手書きの全集を託したとか、弟さんがみすゞの詩を好きでいてくれたというのは授業で聞いたことがあったけど、まさかこんな関係性だったとは。衝撃。加瀬亮がすごく良い!すきです。佇まいも声も良い。し、さりげなく熱を持って二人の関係を教えてくれてありがたいキャラクターだった。叔父さんも良いキャラ。

私がこれまで詩を読んだり少しのエピソードを聞いて描いてきたみすゞ像は、柔らかくもズバッと芯の通った、どちらかというと怒りの人のイメージだったから、この映画(特に前半)のほわ〜っとした不思議ちゃんなみすゞは少し解釈違いだった。でも実際どうだったんだろうな、ほわ〜っとしてたのかな。
金子みすゞの伝記映画とかドラマって他にないんだろうか。もっと内面や詩作、文壇との関係にフォーカスした作りのものも観てみたくなった。
とはいえ、この映画はこれでとても好きでした!

画作りがとても美しい。建築や自然の風景、部屋の中の暮らしの作り方、アングルも光も良いし、時々入る人物が映らないカットも良い。坊ちゃんの部屋とそこに続く階段がお気に入り。

みすゞ像が解釈違いではあるものの、とても美しい映画でこのDVDは手元に置いておきたいな〜と思った。買えるのかな?
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