ちゃんもり

リトル・ミス・サンシャインのちゃんもりのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

勝ちにこだわり負け犬を嫌う父親、夢のために口を閉ざし厭世的な兄、薬物中毒で傍若無人な祖父、ライバルに想い人を奪われ自殺未遂を犯した同性愛者の叔父。そんな個性的な家族とミスコン優勝を目指す娘の話。

父親は仕事で失敗、兄は色盲が発覚しパイロットの夢が実現不可能に、叔父は想い人だけでなく学問での名誉までライバルに奪われ、各々が「負け犬」となった。

しかし、祖父だけは変わらず下品な話をしたりクスリを吸ったりとマイペースに過ごしていた。そんな祖父は息子が仕事で失敗した時に諦めずに努力を続けたことを褒め、孫が負けを恐れている時(父が負け犬嫌いなので負ければ父親に嫌われそうで怖い)に「負け犬は負けた奴ではなく負けを恐れて挑戦しない奴のことだ」と伝えたりと、失敗を恐れないことと諦めないことを大切にしているのが分かる。

ミスコン会場にて、他の出場者のレベルの高さをみた負け犬3人(父、兄、叔父)が娘を同じ気持ちにさせまいと欠場を促すが、結局出場し祖父から教わった下品なダンスを披露する。採点者が止めさせようとしたのを阻止するために、最後は家族全員で上手とは言えないダンスを踊る。家族全員で負けへの恐怖・恥を乗り越えた瞬間であった。一部の人だけが拍手を送ってくれていた。

何事を失敗を恐れずチャレンジすることの大切さを教えくれる映画。各々が負けていくにつれて車もボロくなっていく。だけどみんなで力を合わせて動かす、情景描写が良かった。最後は数人だけしか拍手していなかったが、少なからず、理解してくれる人はいるということを表しているのだろう。

僕自身が今、仕事を始めたてで何もできなくてもどかしく気落ちしていたので、この映画を見て失敗を恐れずに努力しようと思った。
ちゃんもり

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