月うさぎ

リトル・ミス・サンシャインの月うさぎのレビュー・感想・評価

3.6
アメリカ映画の鉄板ロード・ムービーにハズレなし。
と、いつも言ってるけれど、本作も安心のコメディと言える。
その上、可愛らしい子供が主役ときちゃ、楽しめない訳がない。
こう感じる私はすでにアメリカ映画に感化されているのかもしれませんね。ʅ(◞‿◟)ʃ

「リトル・ミス・サンシャイン」という子供のミスコンに出場すべく、一家一同でオンボロのVW-T2型マイクロバス🚌でニューメキシコ州アルバカーキからカリフォルニア州レドンドビーチまで800マイルの旅に出る。
親子4人とお祖父さんと伯父との6人の珍道中。
個性的なというよりもバラバラで非常識なと言った方がピッタリな家族。
家族を嫌っており、信念の為に無言の行を貫く息子、家事は手抜きの母、自殺未遂をやらかしたゲイの伯父、口汚くヘロイン常習者のエロジジイの祖父。
そして最大の問題児は父のリチャードだろう。
There are two kinds of people in this world, winners and losers.’
成功への9段階のメソッドを売り込もうと必死だが、成功者でない男の必勝法を誰が信じる?それを家族に押し付けるものだからティーンエイジの息子は反発する訳だ。当然でしょ。

道中の珍事件にはビックリというか、家族の対応が異常過ぎてドン引きさせられて逆に笑うしかない状態に。
そう、この映画は運に恵まれないファミリーが更に散々な状態に突き落とされる展開なのに、明るく笑ってしまうように仕組まれている謎な映画だったのだ。

この家族。旅を通して結束できたけれど、この先の生活が心配でございます。

A real loser isn't someone who doesn't win. A real loser is someone so afraid of not winning they don't even try.’
お祖父ちゃんが孫のオリーヴを勇気づけた最期の言葉。
これが唯一のテーマだと思います。

ミスコンに対する疑問反論もあるんだかないんだかはっきりしないし…

でもね。こういうことが言えるお祖父ちゃんがいつも側にいるならだよ
なんで旅をしないと成長できないんでしょうね?アメリカ人は( ̄∇ ̄)

結局はOlive (Abigail Breslin)の表情に全部持っていかれる。
キラキラした瞳の輝き、子供っぽい笑みがなんとも可愛い。
それでもって大人になったアビゲイルと同じ表情がこの頃から観られるのよね。
眉根を寄せた問いかける眼差しなんて全く一緒。
ところで、お腹がぽっこりなのは自腹なの?
少なくともこの頃からスキニーな少女ではない事は確かなようで。


マルセル・プルーストがアメリカではゲイを象徴する文化になっているとは驚きました。そんな事は考えてもみなかったので。
月うさぎ

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