作劇的によく出来てる物、笑えて最後ほろっと出来るハッピーエンド物を求めているのならお勧め。
ポール・ダノが色盲だと分かった時の、長年の夢を断たれたやり場のない怒りは凄く共感したが、あとはどうものれなかった。
あの家族最悪過ぎ。臭い物に蓋で薄っぺらい正論かます男根主義な漂白親父、開けっ広げ過ぎる爺さん、母も母だし、兄も兄。家族の有毒性を描いた作品は好きだし共感も出来るのだが、それがハッピー・エンドを迎えると、現実味がなさ過ぎて一気に興醒めしてしまう。家族って皆が同じだけ努力して何かに向かう美しい集団では決してないし、続いている理由は惰性だったりするし、そんな簡単な物じゃないと思う。だったら、「マッリジ・ストーリー」「マイヤーウィッツ家の人々」「イカとクジラ」等のノア・バームバック作品の方が余程リアリティをもって共感出来る。
子は鎹なんて言ったらもうそんな家族はおしまいだと思う。それを美談として見せられても。
スティーヴ・カレルってこんな役も出来るんだ。
ルッキズムとその低年齢化を真っ向から笑い飛ばしたくだりは滅茶苦茶笑った。