サン

リトル・ミス・サンシャインのサンのレビュー・感想・評価

4.0
元気になれる映画。人間観察のように見ると楽しい。兄も妹も母も父も祖父も可愛いんだ。
それぞれのどん底があって、そんな時でも人といると楽になれる時や楽しくなる時がある。それが上手く自然に描かれている
身近な人が不安になっている悲しんでる、そんな時に何ができるのか。それの答えが詰まってるオムニバスのようにも感じた

おじいちゃんはネジとんでるね、若いうちに大勢の女を抱いとけ論にはたまげた。でも登場人物の中でおじいちゃんが1番好きだ
父がツラい時「お前は精一杯頑張った」とあまり語りすぎずパッと引き下がるの格好いい
遊び人そうなおじいちゃんがこう言うこというからグッとくるんだよな
このおじいちゃんは子供遊びもできる
「お前は世界一の猛獣だ」と言って孫(オリーブ)と猛獣ごっこするところ微笑ましい
そして不安がってる孫に「冗談だろ?ライバルをコテンパンにしろ」「負け犬は負けた人じゃない負けるのが怖くて挑戦しないやつのことだ」と言って、お前が内も外も1番可愛いと言葉をかける

個人的に好きなシーン
カフェにて家族でアイス食べていて「ほんとにいいのか?」「ほしくないのか?」と意地悪さを装って煽るチャーミングなノリ
我慢できずアイス食べてしまった後のオリーブの顔!!
そのあと父が体型について言おうとした時の「やめて」の母のツッコミの間
最後にドーウェンがストローの袋をピュッと飛ばす

父は勝ちにこだわる。9段階論にこだわるのほんとおもしろい、でもおもしろいのはこの父に少し自分を見るからかもしれない。あとなんで9なんだよキリよく10段階にしろよ

土手でオリーブが何も言わずにドーウェンの背中ポンとして寄そうシーンは個人的この映画のハイライト

学者が言うプルーストの言葉
「人生を振り返り苦しんだ月日こそ
自分を形成した最良の月日」

この映画で印象的なのはみんなで車を押して乗るシーン
車を押すのは車が壊れたというトラブルから始まった。トラブルは誰にもある、人生はトラブル続きかもしれない。
でもいい。こういうのが1番楽しいんだから
サン

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