「本当の負け犬とは、負けるのが怖くて挑戦しない奴のことだ」
一癖ある家族が、繰り上がりで通った末娘のが出る美少女コンテストのあるカリフォルニアまでボロいワーゲンバスで小旅行するというお話。
うんちくになっていないうんちくを垂れ流す父親と、それにつっかかって空気を台無しにする母、パイロットになるまで話さないという沈黙の誓いを立てる兄、薬物摂取で老人ホームを追い出された祖父、自殺未遂を図った学者の叔父。そして、末娘。
それぞれが癖強く、その癖の影響が家庭環境に響きわたっている状況を第三者目線で視聴者にお届けという地獄の構図。序盤の空気の重みとか妙にリアル。
でも、それを徐々に笑えてくるような持っていき方にしているのが面白かったです。
「下」を見せて、徐々に上げていくような感覚。
特に親父が嫌ですね。現実的に自分の論を周りに広めようとして、それがなんの希望にもなっていないことをわかっていない感じがどうしようもない。でも、後半でとある作戦を実行する場面は良かったです。
末娘のオリーブのダンスがある意味驚きました。そのパターンね。でも、清々しく心地よいシーンでした。
ボロいワーゲンバスの乗り方にも見続けていると、趣深く感じる、不思議な余韻を持たせる映画でした。