高円寺ぱか

リトル・ミス・サンシャインの高円寺ぱかのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

みんなダメな人だけど、マトモなところも持っていて、それぞれのダメなところをそれぞれのマトモなところが相互に補完し合う人物相関が大変素晴らしい。そこも含めて眼差しが生活的。いろいろなところに露出するが、一番感じたのは祖父が亡くなった病院の医者の呼びかけ。あの怒鳴り方に生活感を感じる。

生活感がある眼差しなのでなにもかも中庸的になりがちで、その陥穽が最も現れたのは冒頭。ここ、解釈によってはどうとないシーンですよね。ここをきちんと理解させたのは、前評判とか、そういうところに寄っかかっていると思う。

当初はお兄ちゃんのキャラクタに巧みさを感じたが、運用としてはパパのキャラクタがほんとに絶妙。このキャラクタ難しいと思う。普通は論破されるような立ち位置のキャラクタなのに、「いつのまにか」好意を持てるようになっている。すごい。子供の願いに貢献するところでの観客の動かし方を熟知している。親としての体裁なのか、それとも真心なのかという境目をビミョーに行き来するのがポイントだと思う。

「おじいちゃんに捧げます」「今おじいちゃんは?」「トランクの中」はとっても素敵だった。