木野エルゴ

銀座カンカン娘の木野エルゴのレビュー・感想・評価

銀座カンカン娘(1949年製作の映画)
2.6
引退した落語家新笑の家には妻のおだい、甥の武助、孫のヒヨ子、そして新笑が以前世話になった恩人(故人)の娘お秋と、お秋の親友お春、新笑が拾ってきた犬のポチが住んでいる。お秋は画家、お春には歌手としての夢があるが職なし金なしで家にいるしかやることがない。そんな折、お秋はおだいからポチを捨ててくるように頼まれる。お秋がポチを捨てようと奮闘していると、近くで映画撮影をしていた助監督から犬を出させてほしいと頼まれる。しかしポチだけでなくお秋、さらにはお春まで映画にエキストラとして出演することになり、2人は出演料として1,000円をもらう。同じくエキストラとして出演していた自称ミュージシャンの白井とも知り合った2人。白井から銀座で歌で稼がないかと誘いを受ける…

俳優、歌手、落語家とあらゆるジャンルの有名どころが共演したアットホームなコメディミュージカル。出てくる人たちみんな可愛い。個人的に高峰秀子はエッセイの方に馴染みがあったので、俳優として出演してる作品を見たのは初めて。キュートで動きも表情も愛らしい。タイプの違う笠原シヅ子との掛け合いも良い。

小さい笠原シヅ子と大柄な岸井明が並んでいる様子も非常に可愛い。歌の迫力は流石としか言いようがない。

あと誰よりもポチが可愛い。演技賞ものの賢さと愛嬌がある。

武助が夜の銀座で喧嘩している後ろにあった映画の看板が気になって調べたらダナ・アンドリュースとジーン・ティアニーの『鉄のカーテン』という作品だった。何か意図的に配したのかと思ってあらすじを見てみたけどあまり関係ないみたい。

当時(1940年代)の戦後東京の雰囲気を知るにはうってつけの作品といえる。1時間強という短い時間で見られるのも良い。
木野エルゴ

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