みおこし

ショウ・ボートのみおこしのレビュー・感想・評価

ショウ・ボート(1936年製作の映画)
3.4
有名ミュージカルの最初の”ミュージカル”としての
映画化だそうで。(ちなみにこちらのジャケット写真、これは1951年のカラー版だと思うのでFilmarksさん、お手すきの際に差し替えよろしくお願いいたします…!)

1880年代、ミシシッピー川のほとりにショウボートがやってきては、港の人々に豪華賢覧なショーを届けていた。ショウボートの船長の娘であるマグノリアは、興行をきっかけに賭博氏のゲイロードと恋に落ち、周りの反対を押し切って結婚するが、結婚生活は苦難の連続となる…。

1951年版の色鮮やかな印象が強いので、モノクロ映画で鑑賞する本作がとっても新鮮でした。クラシック映画黎明期から活躍する名女優アイリーン・ダンが歌唱する姿もあまり見たことがなかったので、いろいろと驚き!!
1936年という制作年から考えても掟破りのビッグスケール。エキストラの数もすごいし、セットも超巨大。その影響で製作費が予定よりも大幅に超過して、社長のレムリ、ユニバーサルが倒産しかけたという逸話もあるんだそう。
やはり本作の見どころは名曲"Ol' Man River"を歌うポール・ロブソン。公民権運動に熱心に取り組み、共産主義者としてソ連からも称えられ一時はハリウッドに追われることになるなど論争を巻き起こした彼が歌うこの曲は、黒人労働者の視点で歌われた1曲。第二次世界大戦前の1930年代という世相を考えると、当時は黒人の人権がほとんど与えられていなかった時代なわけで。より彼の歌唱が真に迫っていて胸が締め付けられました。
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