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壮烈新選組 幕末の動乱のmitakosamaのレビュー・感想・評価

壮烈新選組 幕末の動乱(1960年製作の映画)
3.4
東映youtubebeにて。またしても知恵蔵が近藤勇を演じた新撰組。
今作は新選組の結成から芹沢鴨の討伐、池田屋事件を経て伊東甲子太郎の襲撃と返り討ちが描かれる。

58年新撰組に出演した、山形勲が土方から芹沢を演じ、月形龍之介がオリキャラの関から伊東甲子太郎を演じる。特に山形勲が素晴らしい。役によっての演じ分けが上手いし何よりキャラが立っている。

そして「近藤勇を演じる役者、実年齢よりも遙かに上」問題だ。
新撰組の物語が作品を作るごとに遡っているのに、演じる知恵蔵は歳を取っていく。作品ごとに年齢のギャップが広がっていく。新選組決死時の近藤が29歳、この時の知恵蔵が57歳だ。
因みに伊東甲子太郎は享年34歳だが、この時の月形龍之介が58歳だ。
もう二人とも貫禄がエグい。同年代の新撰組同志に対し、もはやお父さんだ。

土方はよく判らない俳優さんだが、なんと沖田が若山富三郎だ。もう血色良すぎて絶対結核になんかならない。

基本的に近藤はどっしりと構える能動的な立場なので、物語は勤王派の内紛を中心に動く。
オリキャラ勤王志士を演じる大友柳太郎と大川橋蔵が誠実に働くが、一部の輩が押し込み強盗をしたり、同僚が新撰組に寝返り池田屋を襲撃されたりする。

また島原や祇園の芸妓さんも多く出演。その中の幼い舞子・千恵菊に知恵蔵の娘が出演。結構台詞があるしオイシイ役を演じてる。

伊東による近藤暗殺を未然に防ぐ為に、大友・橋蔵が駆けつける。「主義は主義、情けは情け」は中々良い台詞だ。
近藤は生き残り隊士に向かい「人は誠」と説く。この辺の台詞のやりとりは良かったね。
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