Alice

雨の町のAliceのレビュー・感想・評価

雨の町(2006年製作の映画)
3.5
【夏のホラー特集2021㉚】
隠れた秀作Jホラー

ルポライターの主人公は内臓のない子供の水死体が上がった事件について取材に訪れる
解剖医によると内臓は取り除かれたのではなく「初めからなかったもの」だという
主人公の目の前で遺体は動き出し、どこかへ走り去ってしまう
そして遺留品を手がかりに「ある村」へと辿り着くのだが…という話

途中までは間違いなく面白い…というか厳密に言うとストーリー自体は全編通して切なくて残酷で良質なJホラーなんですよ
ただいかんせん怪異の描き方がツッコミどころ満載すぎて…なんかもう途中からゾンビ映画みたいになっちゃうのが残念すぎる

子供たちの「中身」は何になってしまったのか
ストーリー上で出てくるワードとしては「天邪鬼」
あとは爺さんが話していた、カッコウの雛は他の鳥の巣の卵を蹴落としてあたかもその巣の雛のような顔をして育つという話から、やはり何者かが子供のふりをしてやって来るのでしょう

とはいえ、わかっていても自分の子供がいなくなった時と同じ姿で「お母さん、開けて」と言ってきたら胸が痛くなりますよね…
お婆さんが裁縫用の糸切り鋏で刺そうとしたもののやっぱりできずに抱きしめてしまったシーンは悲しかった

キャストも何気に豪華なんですよね
評価と知名度が低くてたいして話題にもなりませんが、程よく怖くてわたしはわりと好きな映画です

ちなみにラストに主人公が普段の生活に戻ってからのパートがまるまる必要ないので成海璃子さんのファンの方以外はその前まで鑑賞すれば十分ですよ
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